本書第一章至第五章為第一部,廣泛論及芥川龍之介及其文學、思想等,屬於「總論」的部分;第六章至第十章為第二部,以嶄新視野及方法,論述芥川龍之介各作品的世界,依照小說發表先後順序排列。最後的附篇則是芥川龍之介研究的權威者,其研究成果的展現以及論點的內涵。
本書各篇作者均經過特別挑選,以台灣或與台灣有深厚交流,且具有傑出研究成果的學者為主。本書在台灣出版的主要用意在於,透過這些海內外研究學者彼此間交流激盪所完成的優質論文,除了補足目前芥川龍之介研究的不足以及釐清謬誤論點之外,更進一步思索研究新視點,期待從台灣發信的本書能夠成為芥川龍之介研究之圭臬,裨益未來各國的研究學者,創造出更多優質論文。
本書の構成は、第一章から第五章までを第一部として、芥川龍之介とその文学・思想等について広く展望する〝総論〟としての性格を有する論、第六章から第十章までを第二部として、芥川龍之介の各作品の世界を新たな視座と方法から究明する論を、各作品が執筆された時間を追って配列し、最後に附篇として芥川龍之介研究者による研究成果の発信とその受容についての論を置いた。
本書の執筆者には、国際的に高く評価されている、台湾及び台湾と関係の深い方々を中心に、すぐれた成果を示しうる研究者を選定した。そのような執筆者による、台湾で刊行される本書が、これまでの研究に欠けていた視点や問題意識、従来の研究が不十分で通説が誤っていた問題、今後芥川龍之介研究の指針となるような視点・指摘の提示のような新しい視野をひらく研究成果が世界に発信されることによって、芥川龍之介研究の基本文献として高く評価され、各国の研究者を永く裨益するものになることを期待している。
編者簡介
彭春陽(ホウ シュンヨウ)
1960年台灣宜蘭生。1990年中央大學研究所文學研究科博士後肄業。文學碩士。曾任麗澤大學中文系講師,淡江大學日本語文學系講師。現任淡江大學日本語文學系副教授。專攻為近代文學、比較文學、日本語教育。著作有《芥川文学と中国》(大新書局、1998年)、《芥川龍之介と中国の文人たち》(大新書店、1996年)、譯有《芥川龍之介 短篇選粋 輯一 小説》(木馬文化出版、2016年)等。
1960年、台湾・宜蘭生まれ。1990年中央大学大学院文学研究科博士課程後期満期退学。文学修士。麗澤大学中国語学科講師、淡江大学日本語学科講師を経て、現在、淡江大学日本語学科副教授。専門は、近代文学、比較文学、日本語教育。著書に、『芥川文学と中国』(大新書店、1998年)、『芥川龍之介と中国の文人たち』(大新書店、1996年)、翻訳には『芥川龍之介 短篇選粋 輯一 小説』(木馬文化出版、2016年)などがある。
仁平道明(ニヘイ ミチアキ)
1946年日本栃木縣生。1971年東北大學研究所文學研究科畢業。文學碩士。曾任靜岡大學教養學院副教授、東北大學文學院副教授、東北大學文學院教授、東北大學文學院文學研究科教授、和洋女子大學人文社會科學系教授等。現任東北大學名譽教授。專攻為日本古代(上代、中古)文學、近代文學、比較文學。著作有《和漢比較文学論考》(武蔵野書院、2000年)、《物語論考》(武蔵野書院、2009年)、《夏目漱石芥川龍之介論考》(武蔵野書院、2017年)等。
1946年、日本・栃木県生まれ。1971年東北大学大学院文学研究科修士課程修了。文学修士。静岡大学教養部助教授、東北大学文学部助教授、東北大学文学部教授、東北大学大学院文学研究科教授、和洋女子大学人文社会科学系教授等を経て、現在、東北大学名誉教授。専門は、古代(上代・中古)文学、近代文学、比較文学。著書に、『和漢比較文学論考』(武蔵野書院、2000年)、『物語論考』(武蔵野書院、2009年)、『夏目漱石芥川龍之介論考』(武蔵野書院、2017年)などがある。
目錄
序文/彭春陽・仁平道明
【第一部】 芥川龍之介を展望する
第一章 時代を拓く芥川龍之介/関口安義
第二章 「文壇」を見据える青年作家たち―新聞小説作家芥川龍之介論のために―/庄司達
第三章 芥川文学における欧米モダニズムとの位相/髙橋龍夫
第四章 芥川龍之介の文学と絵画とのクロス―「開化の良人」、「春」、「沼地」などを例にして―/范淑文
第五章 芥川龍之介「義仲論」―秋里籬島「源平盛衰記図会」と「絵本源平盛衰記」―/奥野久美子
【第二部】芥川龍之介の作品世界を新たな視座と方法から究明する
第六章 「羅生門」末尾の一文の改稿の意味― 一つの文学的戦略獲得の原風景として―/宮坂覺
第七章 芥川龍之介「杜子春」論―烈士説話と成金・母性・新しき村―/安藤公美
第八章 芥川龍之介「アグニの神」論―「年少讀者」へのメッセージ―/管美燕
第九章 芥川龍之介「金将軍」試論/申基東
第十章 芥川龍之介の「報恩記」―「天主の御意」をめぐって―/曺紗玉
【附篇】(特別寄稿)芥川龍之介研究者による研究成果の発信とその受容
第十一章 芥川文学を連続講義して―『首が落ちた話』論―/平岡敏夫
編集後記
人名索引
事項索引
編集者略歴
執筆者略歴
書籍試閱
序文(抜粋)
彭春陽、仁平道明
はじめに
日本近代文学を代表する作家の一人である芥川龍之介の作品は、現在、世界各国で翻訳されて多くの人々に読まれ、世界文学として位置づけられるものになっている。芥川龍之介に関する研究も、日本・台湾をはじめとするアジアの諸国だけではなく、欧米等においてもさかんに行われ、芥川龍之介研究の世界的な学会である国際芥川龍之介学会が、これまで、2006年に第1回大会が韓国の延世大学校(ソウル市)と仁川大学(仁川市)で開催され、その後、下記のように、中国・台湾・イタリア・アメリカ・ドイツ・スロベニア・日本、ロシア等、世界各国で開催されている。
このように国際学術研討会・研究・翻訳が世界各国で行われるなど、芥川龍之介研究が国際化している中で、台湾は、これまでに芥川龍之介に関する多くの研究成果を発信し、芥川龍之介を中心とする日本近代文学研究の推進に多大の貢献をしてきた。そしてその成果は台湾の大学や学会等から刊行される学術雑誌等に掲載され、台湾国内だけではなく国外にも公表された芥川研究の論文・研究書等はかなりの数にのぼっている。また台湾国内の大学・学会が主催する国際学術研討会・シンポジウムにおいても、多くの芥川龍之介に関する講演・研究発表が行われてきている。しかしながら、国際的な規模での芥川龍之介研究の成果を一書に編んで刊行し、台湾を発信地として世界に示す機会は、これまであまりなかったのではないか。
今回、国立台湾大学出版中心から日本学研究叢書の一冊としてこの『芥川龍之介研究――台湾から世界へ』を刊行するのは、その書名が示しているように、前述した欠を補うことを目的の一つとしているからである。芥川龍之介に関する新しい研究の成果を収録した研究論文集を台湾で編集・刊行し、その成果を台湾から世界に向けて発信することは、台湾の文学・文化研究、文学研究のアジアにおける求心力を世界に示す、意義のある事業であると考える。
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五南書店→《芥川龍之介研究:台湾から世界へ》
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